はじめまして。ゆたかです。
普段は法律事務所業界のWebマーケティング業務に携わっており、リスティング広告運用をメインに仕事をしています。
本ブログを始めたきっかけは、ずばり「リーガルテック」の勉強のためです。
これまで、様々なWebマーケティング施策を試してきましたが、情報収集を通して、弁護士や法律事務所向けのWebマーケティングは今後も需要があるにしても、「リーガルテック」により、Webマーケティングを仕掛ける対象も、法律事務所からWebサービスやSaaSへ移行していくのではないか?と考えているためです。
きっかけのお話はおいおいご説明できればと思いますが、まずは、この段階での「リーガルテックとは」をリサーチしてみます。
リーガルテックとは
「リーガルテック(Legal Tech)」というキーワード自体、英語ですので、まずはシンプルに、Legal technology – Wikipedia (en)をあたってみました。
以下、概要です。
- リーガルテック(リーガル テクノロジー)とは、法的サービスを提供するためのテクノロジーとソフトウェアの使用を指す
- リーガルテック企業とは、既存の伝統的・保守的な業界に、破壊的革新(Disruptive innovation)をもたらすスタートアップ
また、
- 法律事務所における伝統的なリーガルテック(リーガル テクノロジー)は、「業務管理、文書保管、請求、会計、検索」の支援が主
- 2011年以降は、オンラインのソフトウェアへのアクセスを許可することで、弁護士に相談する必要性を減らしている(弁護士のマッチングサービスなど)
が定義として挙げられています。
ポイントは、2011年前後で、伝統的なリーガルテック or 新しいリーガルテックに分けられる、ということかと思います。
今後、既存の(伝統的な)リーガルテック企業による、新しいリーガルテック企業との差別化や、RPA分野におけるRPAテクノロジーズのような、市場に合わせた社名変更も進んでいくことでしょう。
ちなみに、2011年は、Eric Riesのリーン・スタートアップが刊行されスタートアップ企業への適用がはじまった年でもあります。
このブログでは、リーンスタートアップで語られているような「スタートアップ企業」と、国内のリーガルテックとを比較・検討し、学習を進めていければと考えています。リーンスタートアップの学習も同時並行で進めていきます。
リーガルテックが生まれた背景
2014年12月16日の記事、Four Areas of Legal Ripe for Disruption by Smart Startups – lawtechnologytoday.orgによると、ここ50年、法律事務所での顧客体験はほとんど変わっていないとのこと。
本記事を意訳すると、
- 今日の近代的なコミュニケーションツール(Webやスマホ)を用いても、顧客体験の向上も、弁護士のワークフローの改善も停滞している
- Bessemer Venture Partners (VC)は、リーガルソフトウェア企業でなく、リーガルマーケット全体にサービスを自動化して提供するスタートアップに注目している
- 最終的な目標は、弁護士に替わるものでなく、複雑なケースワークをより簡単に処理し、効率を最大化すること
- 投資家は「プロセスの自動化」、「リーガルリサーチ」、「Eディスカバリー」、「カスタマー」の4つの分野でリーガルテックを捉えている
となっています。
平たく言えば、WordやExcel、オフラインソフトウェアから抜け出し、WebサービスやAIを活用したい、ということかと思います。
ここまで調べてみて、今後、リーガルテックを追っていくための知識として「弁護士の実務」、「スタートアップ文化の理解」が必要だということに気付きました。本買って勉強してみたいと思います。
リーガルテックの扱う分野
リーガルテックの分野として数えられるものは、2018年12月3日の記事、LegalTech hits $1 billion investment as lawyers belatedly embrace automation – becominghuman.aiによると、
- Drafting
- Contract Management
- Legal Analytics
- Prediction Technology
- eDiscovery
- Legal Research
- Contract Due Diligence
- Contract Review
- Enterprise Automation
- eBilling
- IP
が挙げられています。計11分野です。また、この11分野は「AI」を活用したものに限られています。
上記2つの記事のみで単純に比べられるものではありませんが、年々対象となる分野/カテゴリーは増加している模様です。
リーガルテックの市場規模
2019年1月15日の記事、713% Growth: Legal Tech Set An Investment Record In 2018 – forbes.comによると、
- 過去数年間(2017年まで)、リーガルテック企業への投資は活発とは言い難かった
- 2016年は、$224Mが投資された
- 2017年は、$233Mが投資された
- 2018年は、爆発的な成長が起こり、$1663Mが投資された
- 2018年の爆発的な成長は、Eディスカバリー関連によるもの
- 投資が行われた会社の数としては、リーガルリサーチ分野がEディスカバリー分野を超えている
今の私には、Eディスカバリーが何を指しているのか分からないため、投資額も含め、具体的なイメージがさっぱりです。
リーガルテックの人気の分野、Eディスカバリー
eディスカバリーソリューション – CTCを参考にさせていただきました!
「電子証拠開示」のこと。
- 米国の民事訴訟における制度で、訴訟の当事者が相手の証拠となり得る情報を取得することができる
- 膨大な量・範囲の情報のディスカバリーを要求して相手方に過大な負荷をかけ、有利な条件で和解するというのが、戦術の一つとなっている
前述の通り、米国のリーガルテックの成長がEディスカバリーに支えられていることから、日本国内でも同様の投資が行われる(行われた?)かが気になります。
行われない(Eディスカバリーへの需要が希薄な)場合、米国でのリーガルテックの盛り上がりと日本国内でのそれとは、区別して考える必要がありそうです。
日本国内のリーガルテックの歴史
※以下、(特に)主観です。
- 2000年代は、弁護士ドットコムに代表されるような、ポータルサイトの時代
- 2015年頃は、ポータルサイトから「手続き支援サービス」へ徐々に移行
- 2016年頃は、ベンチャーキャピタルによるリーガルテックへの投資が活発化
- 2017年頃は、大型の投資を成功させるリーガルテックの出現
- 2018年頃は、集団訴訟プラットフォームの出現、リーガルテックのプロダクト改善(ベータ版からの、ピボットやリニューアルなど)
- 2019年頃は、「リーガルテック API エコシステム」や、「LegalTech協会」によるリーガルテックスタートアップの組織化
まとめ
ここまでに分かったこととして、
- リーガルテックとはスタートアップの1分野
- リーガルテックには伝統的な分野と、新興の分野がある
- 過去数年間、リーガルテックへの投資は停滞していたが、2018年にEディスカバリー関連の爆発的な成長がもたらされた
- リーガルリサーチ関連も人気
分からないことだらけですが、言語化できずにいた「自分はリーガルテックのどこに興味があるのか?」などの疑問が徐々に明確になってきました。また、今後どのようなキーワードを掘り下げるべきか、おぼろげながら見えてきました。
今後は、「国内」のリーガルテックへの投資を中心に、学習を進めていきます!
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